今回の 旅行(1993.8.30〜9.10)では,
グリーンデルワルト 2泊
ツェルマット    2泊
ヴェルヴィエ    2泊
サンモリッツ    1泊
マイエンフェルト 1泊
その感想は,次のとうりである。

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・花が,すごい。 窓のプランター,建物の回りの花壇など
   ・町じゅうの建物の雰囲気が統一されていて・・・あづましくない
   ・日本で、よく見かける、新建材を使った建物がなく,自然の素材がふんだんに使用。
   ・看板が,芸術的に見える。  ネオンは,ない。
   ・街じゅうを歩いても,車で走っても,雑草が目につかない。
   ・道ばたの農家までが,家の回りに不要な物をおいていない。ゴルフ場にある別荘みたいだ。
   ・電柱がない。どこを見ても絵になっている。

 

  どこに行っても,これが常識だ、といわんばかり、綺麗のである。スイス人と自由に話せるならば
 「どうして、こうできるの」? と質問ぜめにしたい気持になるのでした。これらについて,いろいろ調べたところ,
 この国には、景観作りに関して、法的なさまざまな規制があるということでした。

 
たとえば・・・
  グリーンデルワルトでは  中心部では,6F,周辺で3Fまで。2F以上は,木部で覆う。屋根勾配は,
  18〜28度 庇は,切妻面1.6m,軒面1.2m 
その他  まず建築デザイナーが修景図(着色)を描き,村の規制に適合するか審査し,
建築業者が図面をおこす。
 スイスで一番、規制が厳しいツエルマットでは、窓枠を除き色調は,統一。外部の1/3は木部でなけ             ればならない。そうでない建物も,改修の時はそれに準ずる。
 改修や新設の時は,周りの建物と、同じ造りにしなければならない。 
  これらの規制は,ホテル・貸別荘・コンドミニアム・商業施設や観光資源として位置づけられ
  る民家にも適用されている。
   この様にして建物が同一の様式で造られ,点が集り,面になって街なみを形成していく。
  150年前のスイス観光の、黎明期から,長い時間をかけて,そこに住む人々によって街なみは整備さ
  れてきた。(町外・州外の者は,土地を買えず,外部からの参入は無かった。)
   今回見学した各地の街なみの概略を,おおまか紹介すると・・・

   グリーンデルワルト   標高1034m  人口3900人   ベッド数 2708
        7イガー北壁をめぐる4000m峰のふもと2つの氷河を見上げながら,シャレーが牧
        草地に点在する。牧草地がゴルフ場の様に見える。これぞスイス!といった日本人
        好みのリゾート。

  サンモリッツ      標高1856m  人口6000人   ベッド数5710
     スイス最大かつ最高のリゾート,サンモリッツ湖畔にある。過去2回の冬季オリン
     ピックの開催地だけあり,スキー以外のスポーツもさかんだ。お城みたいな超豪華
     ホテルが並び,世界有数のリゾートの威厳を誇る。 またスイスの奥高地として独
     自の文化を持つ,エンガディン地方の入口ともなり,独特の風土と文化を誇ってい
     る。
  マイエンフェルト    標高518m  人口1600人
     グラウヴュンデン州の州都クールより列車で15分のベッドタウン。各停しか止らな
     い小さな村。メインストリートには,牛の糞の匂が,朝夕には,移牧の家畜の群が
     通りをにぎわす。『アルプスの小女ハイジ』のモデルになった町で,物語をしのんだ
     ハイキングルートが有名。農村リゾートのモデル。

Swiss リゾートの建物と街なみ

 しかし,こういった法的規制があったから優れた町なみになったか? といえばそれだけで
はない。歴史的にも、どのようにして,こういった法的規制ができてきたかを探ってみれば,ス
イスの国民性や独特の社会システムが見えてくるのである。町の観光開発をはかるうえで、貢献
したのが有名なスイスの直接民主制だ。
 スイスは,26の州により連邦国家を構成するが,各州は,それぞれ独自に憲法,立法,行
政,司法の各機関を持ち,国家はむしろ州間の調整役として機能するぐらいである。
 立法は,その町や州でなされ,上からのものより優先される。自分らの事は,自分で快め,それに従い責任を持つ。
 こういったことが2〜300年も前から行なわれていたのだ。
 こうした、州や町における、自治の確立のルーツは,中世の農業社会における、一致団結の風習
や、対外的自立の渇望、から来たものといわれている。
 過去、スイスが,多くの言語や文化,宗教を抱えながらも,1つの国家として統一を保ってき
たのは,驚異的なことといわれている。それを可能にしたのも、各州における,このような政治的自治の確立が大きいと思われる。
 スイスのリゾートは、第一級のものと云われる。しかし,これをよく見ていくと,スイス人の勤勉な国民性に裏うちされ,そこに生活する住民独自の力でここまで築いてきたものだということが、推察される。
 さらには, 100年前からこの地を訪れてきた
た登山者や観光客によって、熟成された,一ロでは語れない,真似が出来ない歴史がある。
 ペンションの源流,スイスに行って見てこよう。から始まった旅行だが,街づくり,環境づくりという視点に思いは、いきつく。
 良い環境に,人は集まる。という自明の論理を、身につまされたスイスであり,環境づくり,地域づくりに責任をもつものは,自分達でしかないと, 思いを重ねたスイスであった。


スイスの観光ムービー http://myswitzerland.com/en/movies/switzerlandupdate/en/start.html

ペンション仲間で、ペンションの本場スイスに行って、リゾート滞在を 体験きた
スイスで、感じたこと、思ったこと。

スイスの旅